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例の木槌のこと |
「裁判官って、法廷で木槌をカーン!ってやるんですか?」というご質問は、法曹界隈以外の方から比較的多く寄せられます。 外国の映画やドラマでよく見かけるあの木槌の正式名称は「ガベル(gavel)」といい、大抵は「静粛に!」というセリフと共にガンガンと叩かれています。 今ざっと見たところ、裁判所法にも「法廷等の秩序維持に関する法律」にも、法廷への木槌の持ち込みや法廷内での木槌の打撃を禁ずるような条項は見当たりません。 むしろ、裁判所の公式ホームページ掲載のゆるキャラ「さいたん」(裁判所ナビゲーターの妖精)には、「将来の夢は日本中に木槌を流行らせること」「特技 木槌叩き」という公式設定も存在しており、最高裁判所事務総局の中でも木槌推しの勢力が着実に育っていることをうかがわせます。 したがって、私の現時点での見立ては「木槌は使おうと思えば今すぐにでも使えるが、なんとなく誰も使っていないだけ」ということになります。 ただ、「裁判所の庁舎等の管理に関する規程」では「銃器、凶器、爆発物その他の危険物」の持ち込みが禁止されているため、「凶器」扱いで没収されることのないよう、殺傷能力の低そうな形状及び素材の木槌にするという配慮は必要でしょう。 そうなるともうピコピコハンマーでいいんじゃないかとも思いますが、人々を静粛にさせるための道具から発せられる音が「ピコッ」というのはいかにも威信を欠くため、やはり素材は木でいくべきです。 狙いが逸れて打撃板を叩き損ね、法壇にめり込んで破損させるに至れば始末書くらいは免れないでしょうが、なんとなくかっこいい裁判を実現するためにはやむを得ない犠牲です。 |
安心した事業承継に繋がる |
会社経営と株式 |
今回は株式譲渡が制限される場合についてお話をしていきます。 株式譲渡が制限されるとは、株式の譲渡に会社の承認を要することをいいます。 特に家族が株主の場合の株式会社をイメージされるとわかりやすいかと思います。 そのため、上場企業とは違って、株式譲渡が制限されているというと、「会社の承認がないと出資金を回収する道はないことになるのか」と思われるでしょう。しかし、あくまで会社からみて好ましくない相手に譲渡することができないだけで、出資金を回収する機会は残されています。 ちなみに、株式譲渡が制限される場合には、
があります。 このうち、(3)は登記されないため、外部からはわかりませんが、代表的な例として、「従業員持株制度」があります。「従業員が退職するときには、会社が株式を買い取る」などの形式で、株式の譲渡を制限する契約が締結されることがあります。すなわち、会社以外には譲渡させないようにして、株主が社外に流出することを防ぐとともに、買取価格や買取条件に制限を設けることで、株主=従業員の定着やモチベーション、エンゲージメントの向上につなげる狙いがあります。 次回は株式譲渡が制限される場合の出資金回収についてお話しします。 ●「事業承継」の流れや課題ついてコラムはコチラ●もっと詳しく「事業承継」のページはコチラから ●もっと詳しく「会社支配権紛争」のページはコチラから |
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