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黄金週間×法令遵守 |
もうすぐゴールデンウィークですが、皆様楽しいご予定はおありでしょうか。 暑くなってくると磯遊びに出掛けたくなりますが、筆者のような素人には予想もできないルールがあったりするので注意が必要です。 連休ということで海外にお出掛けになる方もいらっしゃるかも知れませんが、空港にも意外な誘惑のトラップが仕掛けられていたりします。 国際空港では「動植物検疫探知犬」と呼ばれる犬が働いており、検疫が必要な肉製品や果物などが手荷物の中に含まれていないか、くんくんと嗅ぎ分けて発見するという大切な任務にあたっています。 ですが、彼らはあくまで仕事中。そのような行為はほぼ確実に禁止されているはずです。 法律家の端くれとして遵法を日々心掛けている筆者ですが、浮かれてつい羽目を外すことのないよう気を付けたいと思います。 まぁ、ゴールデンウィークに何の予定も無いのですが。 |
ビジネスイノベーションを加速させる |
会社経営と株式 |
今回は株式譲渡が制限されている場合に、どのように出資金を回収できるようになっているかについてお話しします。 前回お話ししたように、定款で譲渡制限されている場合でも、株式に譲渡制限が付いている場合でも、株式譲渡を承認してもらえれば、株式を譲渡(売却)して出資金を回収、もしくは、時価相当額の株価を回収することができます。つまり、出資した時よりも高額の金銭を手にすることができる場合があります。 それでは、具体的に株式会社において譲渡の承認を得るための手続がどのようになっているのか見てみましょう。 株式を譲渡したいと思う株主は会社に対して株式譲渡を承認するよう請求します。これを「譲渡承認請求」と呼びます。「会社にとって都合の悪い人を排除する」というのが株式譲渡を制限した理由であるので、譲渡承認請求の際には、譲渡する相手を明らかにしなければなりません。 譲渡承認請求がなされると、取締役会設置会社では取締役会で、それ以外の会社では株主総会で、譲渡を承認するか、承認しないかを決定します。ちなみに、この譲渡承認する機関は、定款で決めれば、法律と違うように運用することも可能です。 ここで重要なのは、譲渡承認機関=ほぼ会社といってよいですが、株式譲渡を承認するかどうかは自由だということです。そのようにすることで、「会社にとって都合の悪い人を排除する」という目的が果たせるからです。 その後、譲渡を承認するか、承認しないかの決定をすると、請求した株主に対して通知をすることになっています。請求した人はその通知を受けて初めて株式を譲渡できるかどうかを知るのですが、この通知がいつまで経ってもなされないと、株主としても困ります。そこで、会社法は、株主が請求した日から2週間経っても承認したかどうかの通知が送られない場合には、株式譲渡は承認されたものとみなされることにしました。「みなす」というのはかなり強力な効果で、会社は後で争うことが非常に難しくなるため、会社側としてはこの「2週間」という制限時間は絶対に忘れてはならないものになります。また、だからこそですが、この2週間がいつから始まったかを証拠として残しておくためにも、株式譲渡承認請求は配達証明付内容証明郵便で行っておくことがマストだと思います。 次回は株式譲渡が制限される場合の出資金回収方法の続きをお話しします。 ●もっと詳しく「株主総会」のページはコチラから ●もっと詳しく「会社支配権紛争」のページはコチラから |
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