高瀬総合法律事務所

#35
2025,07,28

  
読んでいるだけでちょっと面白い法律

政治と肉

政治とカネの問題が取り沙汰される昨今ですが、選挙運動のスタッフに提供するお弁当の費用にも法令上の上限があるということは、意外と知られていません。

公職選挙法及びその施行令の内容をざっくり要約すると、「一食につき1500円、一日につき4500円」を上限とし、原則として選挙期間1日あたり15人分(45食分)まで(選挙事務所が複数の場合は加算あり)というルールです。

この「一食につき1500円」(物価高のため、最近1000円から引き上げられました。)をどのように判断するかという問題は、意外と悩みどころでもあります。

例えば、狩猟免許を持っている立候補者Aさんが、選挙期間前に自ら裏山で仕留めたイノシシを用いて大鍋一杯のシシ鍋を作り、選挙スタッフに振る舞ったとしましょう。
具となる野菜・きのこはすべて裏山で調達し、味付け用の味噌は手作り、猟銃の購入価格は30万円、狩猟免許の維持費用が年間3万円、大鍋の購入価格が1万円、裏山に潜んでイノシシを待ち伏せるのに5日を費やし(うち3日は有給休暇、残り2日は無給で欠勤)、同等のシシ鍋を料亭で食べると一食1万円はするとしましょう。
このとき、Aさんは、①そもそもシシ鍋は「弁当」に入るのか、入るとしても②シシ鍋「一食」の分量はどう決めるのか、③このシシ鍋の一食あたりの価格をどうやって算出するのか、という非常に難しい問題を解決しなければ、適法に選挙運動ができなくなります。

しかし、自然採取の食材を使いさえすれば弁当代の規制を潜脱できるとなれば、漁師である立候補者が大トロやアワビの寿司を「弁当」と言い張る行為も規制できなくなりますし、そもそもAさんのやるべきことはシシ鍋の原価計算ではなく選挙運動です。
本来の目的を見失わず、おとなしく近所のお弁当屋さんから仕出弁当を購入することが最適解でしょう。

ちなみに、お肉といえば、オーストラリアでは、選挙のたびに投票所の周辺にソーセージ屋台がわらわらと出現するそうです。
当時の首相が「我が国の民主主義はソーセージの香りなしでは成り立たない(キリッ」と言い切り、どこの投票所の屋台が美味しいかをリサーチできるwebサイトもあるそうで、なかなかに楽しそうです。実際、チャリティ価格で美味しいソーセージが食べられることで、投票率のアップにもつながっているようです。
たまにしかない大事なイベント、どうせなら楽しみたいものですね。

契約書レビュー・作成・契約トラブル 契約書に強い弁護士をお探しなら
取引先との契約書作成全く追いつかない そんな時こそ、顧問弁護士の出番です


会社経営と法律
~競業避止義務~

今回は従業員の競業避止義務について注意すべきポイントの続きです。

退社時等に誓約書を締結すること等である程度の競業避止義務を従業員に負わせることは可能ですが、以下のように制約がありますので注意が必要です。

◆期間: 競業禁止期間は、通常、数ヶ月から数年と定められ、これを超えると無効になります。

◆範囲: 競業禁止の範囲は、会社が扱う商品やサービス、営業地域などによって異なりますが、同一はともかく、類似の範囲が広すぎると無効になります。

◆例外: すべてのケースで競業禁止が認められるわけではありません。例えば、公序良俗に反するような不当な制限は、無効とされる場合があります。

なお、就業中の競業禁止の内容は、雇用契約書や就業規則に明確に記載しておく必要があります。

このように、競業避止義務は、中小企業にとって、自社のノウハウや顧客関係を守る上で非常に重要な制度ですが、無効にならないよう、どのような方法でどのように設定するかは弁護士に相談されることをお勧めします。


●その他の「競業避止義務」についての事例(1)
●その他の「競業避止義務」についての事例(2)

発行:弁護士法人 高瀬総合法律事務所
KANAGAWA OFFICE
〒252-0143
神奈川県相模原市緑区橋本6-5-10 中屋第2ビル2-E
TEL:042-770-8611
URL:https://takase-law.com/

YOKOHAMA OFFICE
〒222-0033
神奈川県横浜市港北区新横浜3-19-11 加瀬ビル88
TEL:045-624-8677

TOKYO OFFICE
〒160-0023
東京都新宿区西新宿1-20-3 西新宿高木ビル 8階
TEL:03-3344-6155
URL:https://takase-law.tokyo/

電話受付は平日9:00~18:00

配信の停止をご希望の方はお手数ですが
配信停止フォームより配信停止手続きをお願いします。

弁護士法人 高瀬総合法律事務所