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下請法・独禁法

よくあるご質問

下請法違反と禁止行為

独禁法と独禁法違反行為

下請法違反の効果

取引先が下請法違反に当たる取引をしていた場合、当社としてはどのようなことができますか?

公正取引委員会に下請法違反の事実を明らかにした場合、取引先は公正取引委員会などから「勧告」「指導」の処分を受けることがあります。
公正取引委員会は、必要に応じて親事業者や下請事業者に報告をさせたり、立ち入り検査をすることができます。「報告」を怠ったり拒否したり虚偽の報告を行ったときなどには、事業者に50万円以下の罰金が科される可能性がありますし、「勧告」を受けた場合には、取引先の会社名や違反内容が公正取引委員会のホームページなどで公表されます。
また、禁止行為のうち、発注書面の交付義務や書類の作成・保存義務に違反した場合には、50万円の罰金が科される可能性があります。
親事業者が、下請事業者が親事業者の下請法違反行為を公正取引委員会又は中小企業庁に知らせたことを理由として、その下請事業者に対して取引数量を減じたり、取引を停止したり、その他不利益な取扱いをすると下請法違反となるといった、セーフティネットも敷かれています。
したがって、下請法違反の行為を継続されている場合には、公正取引委員会もしくは専門の弁護士に相談しましょう。

下請法違反の条件

そもそも下請法違反かどうかはどのように判断するのでしょうか?

下請法の対象となるためには、取引する当事者の資本金を確認します。御社と取引先の資本金が、1000万円以下なのか、3億円以上なのか、もしくは、システム開発委託等であれば5000万円以上なのかどうかによって、下請法の適用対象かどうかが変わります。
①次に、互いの取引内容が下請法の適用対象となっているかを確認します。しばしば誤解されていますが、建築関係は原則として対象外となりますので注意が必要です。
が、およそ建設業者が行う取引全般が下請法の適用を受けないというものではありません。建設業者が施主等から建物の建築とともに当該建物の設計図面の作成を請け負った場合などに、その設計図面の作成を他の事業者に委託する場合には 情報成果物作成委託として下請法の適用を受けます。
②そして、最後に、下請法が規制している、11種類の禁止行為類型に当たるかどうかを確認します。公正取引委員会のHPに具体例が挙げられているので、参考にしてください。
全く同じ事例でなくとも解釈上禁止行為に該当することもありますので、ご不明であれば専門の弁護士に相談しましょう。


※2024年5月に対象となる親事業の資本金は1000万円超(1000万1円以上)に加え、1000万以下の事業者も対象となりました。改正前までは親事業の資本金が1000万円ぴったりであるケースが多く、その場合は下請法の対象とはならないこと多くありました。このことにより1000万円以下の親事業者を対象とするように対応したものが今回の改正になります。
2024/11/05追記

下請法の禁止行為について【受領拒否】

下請法の禁止行為のうち「受領拒否の禁止」について教えてください。

親事業者が下請事業者に対して委託した給付の目的物について、下請事業者が納入してきた場合、親事業者は下請事業者に責任がないのに受領を拒むと下請法違反となります。(公正取引委員会HPより抜粋)
他にも、親事業者は、下請事業者に対してホームページの制作を委託してい たが、発注元からの仕様の変更を理由に、下請事業者が当初の仕様に 従って制作したホームページのデータを受領しなかった。

下請法の禁止行為について【支払遅延】

下請法の禁止行為のうち「支払遅延の禁止」について教えてください。

親事業者は物品等を受領した日(役務提供委託の場合は、役務が提供された日)から起算して60日以内に定めた支払期日までに下請代金を全額支払わないと下請法違反となります。(公正取引委員会HPより抜粋)
親事業者は、生産設備等の洗浄作業を下請事業者に委託しているとこ ろ、下請事業者に対して、手形を交付することによって下請代金を支払 っていたが、結果的に下請事業者が手形の割引を受けられず現金化する ことができなかった。

割引を受けようとした下請事業者が金融機関において手形の割引を受けられないような手形の支払いは下請法違反です。
また、ここでの役務提供委託には、自家利用役務は含まれず、顧客などから請け負った役務のみとなります。

下請法の禁止行為について【代金減額】

下請法の禁止行為のうち「下請代金減額の禁止」について教えてください。

親事業者は発注時に決定した下請代金を「下請事業者の責に帰すべき理由」がないにもかかわらず発注後に減額すると下請法違反となります。(公正取引委員会HPより抜粋)「発注後」というのがポイントです。
親事業者は、部品の製造等を下請事業者に委託しているところ、単価 改定の要請に応じない下請事業者に対し、「出精値引き」と称して、下請代金の額を減じた。

これは当然違法ですが、下請事業者が自発的に「出精値引き」という項目を設けた場合でも、問題になります。下請法では、名目の如何や合意の有無を問わず、発注時に決定した下請代金の額を減じることは、違反になります。
また、下請代金の減額には、一旦下請代金を全額支払った後に、親事業者の金融機関口座へ減額する金額を振り込ませる方法等も含まれます。

下請法の禁止行為について【返品】

下請法の禁止行為のうち「返品の禁止」について教えてください。

親事業者は下請事業者から納入された物品等を受領した後に、その物品等に瑕疵があるなど明らかに下請事業者に責任がある場合において、受領後速やかに不良品を返品するのは問題ありませんが、それ以外の場合に受領後に返品すると下請法違反となります。(公正取引委員会HPより抜粋)
親事業者は、納入された製品の検査を行っていない場合に、下請事業 者から製品を受領した後に、不良品であることを理由として引き取らせた。

親事業者がただ単に検査の手間を省くとか、検査費用を節約する等のために無条件に受入検査を省略し、全て無検査で受け入れている場合には、親事業者が検査権を放棄したと考えられ、原則として返品はできません。

下請法の禁止行為について【買いたたき】

下請法の禁止行為のうち「買いたたきの禁止」について教えてください。

親事業者が発注に際して下請代金の額を決定するときに、発注した内容と同種又は類似の給付の内容(又は役務の提供)に対して通常支払われる対価に比べて著しく低い額を不当に定めることは「買いたたき」として下請法違反になります。(公正取引委員会HPより抜粋)
親事業者は、自社の顧客からの納期の短縮要請により、部品の製造 を委託している下請事業者に対し、見積りをさせた時点よりも納期を 短縮したにもかかわらず、下請代金の額の見直しをせず、当初の見積 価格により通常の対価を大幅に下回る下請代金の額を定めた。

まず、買いたたきに該当するか否かは、下請代金の額の決定に当たり下請事業者と十分な協議が行われたかどうか等対価の決定方法、差別的であるかどうか等の決定内容、通常の対価と当該給付に支払われる対価との乖離状況及び当該給付に必要な原材料等の価格動向等を勘案して総合的に判断されます。また、下請事業者と十分な協議が行われたかどうかについては、協議の方法、協議の時期、合意しないと不利益な取扱いをする旨示唆していないかなどの要素を勘案して判断されます。

また、この事例では、下請事業者からの値上げ要請等がなく、親事業者が下請事業者のコストアップを知り得ない状況において、親事業者が対価の見直しをしなかった場合もあるとの親事業者による反論も考えられます。しかし、親事業者が見積り時点から納期を短縮した場合には、 通常、下請事業者の費用負担が増加すると考えられることから、どの程度の費用増となるかについて、下請事業者から再見積りを取るなどして確認すべきである、と公正取引委員会は考えているようです。

下請法の禁止行為について【購入・利用強制】

下請法の禁止行為のうち「購入・利用強制の禁止」について教えてください。

親事業者が、下請事業者に注文した給付の内容を維持するためなどの正当な理由がないのに、親事業者の指定する製品(自社製品を含む)・原材料等を強制的に下請事業者に購入させたり、サービス等を強制的に下請事業者に利用させて対価を支払わせたりすると購入・利用強制となり、下請法違反となります。(公正取引委員会HPより抜粋)
親事業者は、貨物運送等を委託している下請事業者に対して、発注担当者を通じて、下請事業者が必要としていないにもかかわらず、自社の 取引先からの購入要請があった自動車の購入を要請し、購入させた。

要請に応じなければ今後の取引に影響するかもしれないと考えて本来必要のないものを購入させられることを禁止。

下請法の禁止行為について【報復措置】

下請法の禁止行為のうち「報復措置の禁止」について教えてください。

親事業者が、下請事業者が親事業者の下請法違反行為を公正取引委員会又は中小企業庁に知らせたことを理由として、その下請事業者に対して取引数量を減じたり、取引を停止したり、その他不利益な取扱いをすると下請法違反となります。(公正取引委員会HPより抜粋)

下請法の禁止行為について【有償支給原材料等の対価の早期決済】

下請法の禁止行為のうち「有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止」について教えてください。

親事業者が下請事業者の給付に必要な半製品、部品、付属品又は原材料を有償で支給している場合に、下請事業者の責任に帰すべき理由がないのにこの有償支給原材料等を用いて製造又は修理した物品の下請代金の支払期日より早い時期に当該原材料等の対価を下請事業者に支払わせたり下請代金から控除(相殺)したりすると下請法違反となります。(公正取引委員会HPより抜粋)

下請法の禁止行為について【割引困難な手形の交付】

下請法の禁止行為のうち「割引困難な手形の交付の禁止」について教えてください。

親事業者は下請事業者に対し下請代金を手形で支払う場合、支払期日までに一般の金融機関で割り引くことが困難な手形を交付すると下請法違反となります。(公正取引委員会HPより抜粋)

下請法の禁止行為について【不当な経済上の利益の提供要請】

下請法の禁止行為のうち「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」について教えてください。

親事業者が、下請事業者に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害すると下請法違反となります。(公正取引委員会HPより抜粋)
親事業者は、繊維製品の製造を委託している下請事業者に対し、購買担当者を通じて自社が発行する製品カタログ製作のための協賛金を提供させた。

親事業者は、機械部品の製造を委託している下請事業者に対し、量 産終了から一定期間が経過した後も金型、木型等の型を保管させているところ、当該下請事業者からの破棄申請に対して、「自社だけで判断することは困難」などの理由で長期にわたり明確な返答を行わず、保管・メンテナンスに要する費用を考慮せず、無償で金型、木型等の型を保管させた。

下請法の禁止行為について【不当な給付内容の変更及び不当なやり直し】

下請法の禁止行為のうち「不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止」について教えてください。

親事業者が下請事業者に責任がないのに、発注の取消若しくは発注内容の変更を行い、又は受領後にやり直しをさせることにより、下請事業者の利益を不当に害すると下請法違反となります。(公正取引委員会HPより抜粋)
親事業者は、部品の製造を下請事業者に委託しているところ、当初の発注から設計・仕様を変更したことにより、下請事業者にその変更への対応や当初の納期に間に合わせるための人件費増加等が生じたにもかかわらず、その費用を負担しなかった。

なお、公正取引委員会は、親事業者が発注後に仕様を変更した場合には、通常、下請事業者の費用負担が増加すると考えられることから、どの程度の費用増となるかについて、下請事業者から再見積りを取るなどして確認すべきであると考えています。実際にもそうするべきだと思います。

下請法と独禁法の関係について

下請法と独禁法の関係について教えてください。

下請法について簡単にご紹介すると、よく知られているのが独占禁止法ですが、下請法は、この独占禁止法を補助するために制定された法律です。親事業者と下請事業者が取引する場合、まずは下請法の規定が適用されますが、特に、独占禁止法で不正な取引方法として挙げられているのが「優越的地位の濫用」、これを防止するために下請法があります。
つまり、親事業者が下請事業者より優越的地位にあることを利用して、不当な要求を行い不利益を与える行為を防止するために下請法があるのです。
まず、「優越的地位かどうか」は、独禁法では、判断がなかなか困難ですが、下請法では、資本金で簡単に判断できるようになっています。

独禁法違反の行為について【取引条件等の差別取扱い】

独禁法違反行為のうち「取引条件等の差別取扱い」に当たる事例について教えてください。

A社が、国産自動車向け補修用ガラスの取引に関し、積極的に輸入補修用ガラスを取り扱う取引先補修用ガラス販売業者に対し、不当に、国産補修用ガラスの卸売価格を引き上げ、配送の回数を減らす不利な取扱いをしていたという事例について、独禁法違反が争われたことがあります。

独禁法違反の行為について【抱き合わせ販売等】

独禁法違反行為のうち「抱き合わせ販売等」に当たる事例について教えてください。

A社が、取引先であるパソコンの製造販売業者に対し、当該製造販売業者が表計算ソフトウェアをパソコン本体に搭載又は同梱して出荷する権利を許諾する際に、不当に、ワードプロセッサー用ソフトウェアを併せて搭載又は同梱させ、さらに、表計算ソフトウェア及びワードプロセッサー用ソフトウェアについて権利を許諾する際に、不当に、スケジュール管理ソフトウェアを併せて搭載又は同梱させていたという事例について、独禁法違反が争われたことがあります。

独禁法違反の行為について【排他条件付取引】

独禁法違反行為のうち「排他条件付取引」に当たる事例について教えてください。

A社は、同社と一定額以上の取引をしているチェーン会会員との間に、自社製ベッドに類似する他社製ベッドの取扱いを禁止する旨の条項を規定した「A社専売店取引協定書」と題する契約を逐次締結し、他社製ベッドの取扱いを禁じていたという事例について、独禁法違反が争われたことがあります。

独禁法違反の行為について【再販売価格の拘束】

独禁法違反行為のうち「再販売価格の拘束」に当たる事例について教えてください。

A社は、同社ブランドのアイスクリーム製品について、取引先小売業者に対し、自ら又は取引先卸売業者をして希望小売価格を維持させる条件を付けて契約し供給していたという事例について、独禁法違反が争われたことがあります。

独禁法違反の行為について【拘束条件付取引】

独禁法違反行為のうち「拘束条件付取引」に当たる事例について教えてください。

A社は、取引先小売業者等に対し、販売先を制限する条件を付けてソフトウェアを供給するとともに、取引先卸売業者に対し、同卸売業者をしてその取引先である小売業者に販売先を制限させる条件を付けてソフトウェアを供給していたという事例について、独禁法違反が争われたことがあります。

独禁法違反の行為について【優越的地位の濫用】

独禁法違反行為のうち「優越的地位の濫用」に当たる事例について教えてください。

A社は、自己の取引上の地位が日用雑貨品納入業者に対して優越していることを利用して、日用雑貨品納入業者に対し、金銭を提供させ、また、日用雑貨品を 1 円で納入させていたという事例について、独禁法違反が争われたことがあります。

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