
相続の特別受益・寄与分主張は期限に注意!2023年4月施行の民法改正で10年ルールが導入
2025年2月19日
2023年4月から施行された民法改正によって、相続における特別受益や寄与分の主張には期限が設けられることになりました。この変更により、相続開始から10年が経過すると特別受益や寄与分を主張することができなくなるという重要なルールが導入されています。
特別受益とは?寄与分とは?
特別受益とは、生前贈与や学費の援助など、被相続人から相続人が受けた特別な利益のことを指します。一方、寄与分は、被相続人の財産の維持や増加に特別に貢献した相続人に対して認められる取り分です。
これらは通常、相続分を決定する際に考慮されるため、主張することで本来の相続分以上の財産を得ることが可能です。しかし、今回の民法改正によって、この主張が制限されることになりました。
10年ルールの内容とその影響
新しい民法では、相続開始から10年が経過すると特別受益や寄与分を主張することができないと定められています。このルールが適用されると、法定相続分に基づいて遺産分割が行われるため、特別受益や寄与分を主張すれば多くの財産を得られたはずの相続人も、本来の相続分より少ない財産しか受け取れない可能性があります。
例えば、以下のようなケースが考えられます
- 特別受益の例
長男が生前に1,000万円の住宅資金援助を受けていた場合、特別受益として遺産分割に反映される可能性があります。しかし、相続開始から10年以上経過していると、この主張ができなくなります。 - 寄与分の例
長女が被相続人の介護を長年行い、その結果として財産の維持に貢献した場合、寄与分が認められる可能性があります。しかし、10年を過ぎると寄与分の主張ができなくなります。
期限内に適切な対応をするためのポイント

特別受益や寄与分の主張が制限されることを防ぐためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
- 早めの専門家への相談
相続が発生したら、早急に弁護士や税理士などの専門家に相談しましょう。特別受益や寄与分を主張するための証拠や書類の準備がスムーズに進みます。 - 家族間での共有
被相続人の生前の贈与や支援について、家族間で共有し、記録を残しておくことが重要です。 - 遺産分割協議の早期実施
相続開始後、なるべく早く遺産分割協議を行い、特別受益や寄与分を考慮した遺産分割を目指しましょう。
弁護士に相談する重要性

特別受益や寄与分の主張には法律の専門知識が必要です。適切に主張しないと、相続分が不利になる可能性があります。弁護士に相談することで、期限内に必要な手続きを進め、法的に正当な相続分を確保することが可能です。
特に、家族間の意見が対立している場合や複雑な財産分割が必要な場合には、弁護士のサポートが大きな助けとなります。
まとめ
2023年4月施行の民法改正によって導入された10年ルールは、特別受益や寄与分の主張に大きな影響を与えます。このルールを理解し、相続開始後は期限内に適切な対応を取ることが重要です。
相続に関する不安や疑問がある場合は、ぜひ弁護士に相談し、円滑な相続手続きを目指しましょう。