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相続

遺産相続は当事者だけで解決しようとするとトラブルに発展する可能性があります。
また、使い込みや遺留分に納得がいかないなどの相続問題解決に弁護士を依頼しましょう。

相続一問一答

「相続の流れ」「司法書士と弁護士どちらに頼めばいいかわからない」「遺言の書き方」といった相続にまつわる基本的な疑問をピックアップして一問一答にまとめました。

相続の流れが知りたいです。

まずは遺言があるかどうかの確認となります。遺言があれば遺言通りに遺産の名義変更を行います。遺言がなければ遺産を誰にどう分けるかという遺産分割の話し合いを相続人全員で始めることとなります。

相続の簡単な流れ

  • 1.家族の死亡
  • 2.遺言の確認・財産の確認
    ※遺言がない場合は遺産分割の話し合いを相続人全員で行います。
  • 3.相続財産の分配
  • 4.不動産・銀行などの名義変更

※「相続税の申告・納税」は上記の手続完了にかかわらず、原則として「家族の死亡」から10か月以内に行わなければなりません。 したがって、「相続財産の分配」は10か月以内に完了させることが望ましいといわれています。

相続のスケジュールが知りたいです。専門家にはいつ依頼したらよいでしょうか。

相続でまず気を付けなければいけないのは相続税の申告期限です。被相続人(故人の方、親御さんなどが該当します)が亡くなってから10か月が相続税の申告と納税期限です。したがって、まずは10か月以内に相続手続きを完了させることを意識しなければなりません。逆算して、亡くなってから1か月以内に税理士や弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士と司法書士どちらに頼めばいいのでしょうか?費用の違いなどはありますか?

弁護士と司法書士どちらに依頼するべきかは非常に難しい問題です。実際には、財産の価格で弁護士と司法書士は職域が分かれています。ただ、弁護士の方が紛争解決のエキスパートとして取り扱い範囲は広いため、紛争になっているようでしたら弁護士にご相談されることをお勧めします。

故人の遺産がどのくらいあるか分かりません。

預貯金通帳を確認するのは必要不可欠として、不動産であれば固定資産税納付書、保険関係や株式は証券や通知書、通帳の履歴から探し出します。不動産の価格は判断が難しいため、不動産業者や税理士、弁護士に相談されるとよいでしょう。

相続人がだれかわかりません。どうしたらよいですか?

弁護士であればだれが相続人でどこに居住しているかまで調査することが可能です。また相続人が行方不明の場合も弁護士は対処することができますので、弁護士へのご相談もお勧めします。

私は相続人のようですが誰も何も言ってきません、どうしたらよいでしょうか?

ご兄弟など他に相続人がいらっしゃればまずはその方々に連絡を取って相続についてどのようなお考えかを聞いてみるとよろしいでしょう。その結果、実は遺言があったとか、遺言がなく遺産分割をみんなで話し合おうという形に発展していくと思います。

遺言の書き方が知りたいです。

遺言は自分が誰に何を相続させたいかを書く必要があり、それが書ければ十分だともいえます。一見簡単なようですが、守らないといけないルールがあり、ルール通りに書かないとせっかく書いた遺言が無効になってしまいます。ご不安であれば弁護士や司法書士に相談した方がよいでしょう。

会社を経営していますが、自分の死後どうなってしまうのか漫然としています。今すべきことはありますか?

会社経営には社長が必要ですが、社長が会社経営を安心してできるためには株式を十分に保有している必要があります。そのため、まずはご自身が株式を十分に保有しているかを確認した方がよいでしょう。また、株式は相続する対象(相続財産)となります。そうすると、不動産や預金のように相続すると相続税がかかりますが、時に相続税が多額で納められないケースもあります。相続税の対策はしっかりと行うことができますので、専門家へのご相談の前に、株式保有割合を確認して、税理士に相続税について相談されるとよいでしょう。弁護士に相談しても提携している税理士を紹介することができます。

参考ページ:事業承継

相続税を節税したいです。何か方法はありますか?

相続税の節税方法は相続税専門の税理士をご紹介できますので、是非お問い合わせください。

相続登記義務化と聞いたけど遺産相続しないとどうなりますか?何をしたらよいでしょうか。

相続により不動産を取得した相続人は(細かい部分は割愛しますが)3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととされました。相続登記をしないと10万円以下の過料が科されることがあります。 そのため、遺言や遺産分割で不動産を取得したら速やかに相続登記の手続きを済ませることをお勧めします。また、相続をしない場合はともかく、相続手続きをしないまま事実上不動産を使用している場合には、速やかに相続手続きをして相続登記をしてください。

相続ご相談事例

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遺言書

家族信託契約の有効性を争われた事案

義母の生前中に家族信託契約を締結し、義母の生前の財産管理を行う代わりに、義母が亡くなった後には私が義母の遺産を殆ど相続するということになっていました。
ところが、義母が亡くなった後、義母の相続人(兄弟)から家族信託契約自体が認知症の症状発生中に締結されたもので無効であり全ての遺産を引き渡せといわれてしまいました。。

解決ポイント

最終的には裁判で争うこととなり、家族信託契約締結時の判断能力が争点となりましたが、有効であるとの判断となりご相談者の財産が守られました。
家族信託契約は最近活用されるようになった便利な制度ですが、ご本人の判断能力が問題視される状況になってから契約を検討されることも多いだけに、後日争いになることが今後多くなると予想されます。したがって、あらかじめ争いになることを可能な限り予防するために、家族信託契約締結の準備段階からご相談されることをお勧めします。

遺言書作成の事例

私には成人した息子2人と娘1人の3人の子供がいます。
現在は同居している娘に面倒を見てもらっていますが、もしできることなら、この子の先々を考えて(未婚のため)、今まで迷惑を掛けてきたこともあって、息子たちよりも多めに財産を残してあげたいと思っています。その願いを叶える方法はありますでしょうか?

解決ポイント

まずは、あなたがご健康なうちに、お客様のその「想い」を(遺言)として、「形」として残しておくことをお薦めします。
その「形」を(遺言書)と言い、Fさんのお子さんへの「想いを・財産を」、確実に残すことができます。

つまり、「想続」です!

もしあなたが遺言を残さないまま亡くなってしまわれた場合、お子様達のご兄弟で遺産分割の話し合いをしなければなりません。
あなたのご希望を汲み取った通りに協議がまとまれば、その通りに分配はされますが、あなたのご意向が何かの形で残されていなければ、そのような遺産分割になる可能性は限りなく低いでしょうし、残していたとしても、お子様の何名かが分割の内容に不満をお持ちになれば、一般的には、法律に定められた分割の割合によって、お子様達の財産が分配されてしまうことになります。
その際は、相続人がお子様だけの場合、それぞれが3分の1ずつ均等に相続するのが原則となります。

私はどのように遺言書を作成すればいいのですか?

遺言書にはご自分で作成する「自筆証書遺言」と、公証役場にて公証人に作成してもらう「公正証書遺言」があります。
ご自分で作成することもできますが、法律に定められた要件を満たして作成する必要があります。
また、作成した遺言書そのものが紛失してしまう心配もあります。そのような事を踏まえると公正証書にて作成するのが、あなたにとって一番安心だと思われます。

遺言書の作成には費用が如何ほどかかるのでしょうか?

公証役場へ支払う費用は、あなたの遺産総額等によって異なります。
例えば、娘さんだけに遺産を全て残す遺言で、遺産総額が5000万円までの場合は、2万9000円となります。
これに、弁護士へ遺言の作成を依頼すると弁護士費用もかかります。
ただし、遺言の内容は公証人役場の方が教えてくれるわけではありません。
また、相続税との関係や、法律面での遺留分減殺請求権の行使可能性の観点から、遺産の分配方法には専門的判断が必要とされることも多く、安易に遺言をしてしまったばかりに、亡くなってしまった後に予期せぬ紛争(争続)を引き起こしてしまう事も珍しくなく、それでは残されたお子様達が不憫です。
従って、弁護士費用は多少かかってしまいますが、それ以上のリスクの防止、利益の創造につながる場合も少なくありませんので、弁護士にご依頼されることをお勧めします。
少なくとも、ご相談だけでもされた方が宜しいでしょう。

遺産分割

生前贈与を争いながら遺留分請求、遺産分割請求を並行して協議した事例

私は4人兄弟の末っ子です。父が20年前になくなり、母も1年前に他界しました。私や他の姉妹は実家から離れた場所に暮らしており、一番年上の長男だけが母と実家で暮らしていました。父が亡くなった時は父の財産は全て母が相続することになりました。結果、母は自宅土地建物や駐車場貸地、賃貸マンションなど多数の不動産を保有することになりました。母は100歳で亡くなったのですが、90歳頃から認知症の症状が進行しているようでした。このたび、母が保有していたはずの不動産を調べたところ、全て母から長男に贈与されていました。贈与されていたのは母が95歳の頃でした。私たち他の姉妹はこの状況を甘んじて受けるしかないのでしょうか。

解決ポイント

このように蓋を開けてみると家族としては信じがたいことが起きているということは少なくありません。事前に対策をしておくことと比べ、事後では贈与を無効とできる場合は限られてきますが、それでも対応次第で結果はかなり変わってきます。今回は贈与の無効を主張することを基本路線とし、有効前提として遺留分請求や遺産分割での特別受益を主張してご相談者の取得分を最大化することに成功しました。

遺産分割と成年後見について

私の義母、つまり、夫の母が高齢により認知症になってから早3年が経ち、その間、義母は他の病も相まって長期入院することになりました。そのため、これまでのように夫が義母の生活費を建て替え続けることが難しくなってきたことから、夫を成年後見人として後見申し立ての準備をしていましたが、突然、夫が交通事故により亡くなってしまいました。なお、私たち夫婦には子はいません。夫の遺産問題や義母の後見問題など問題が山積して何から着手してよいか途方に暮れてしまっています。どうすればよいでしょうか。

解決ポイント

まず、ご主人の遺産分割をするためには、相続人が奥様とお義母様となりますが、お義母様はそのままでは遺産分割をする判断能力がないとみなされてしまうため、成年後見人の選任を申立てしました。その際に、誰を成年後見人とするかですが、ご主人が亡くなることによってお義母様との姻族関係が終了すること、及び、奥様とお義母様は相続人同士の関係で利益相反となることもあり、お義母様の親族に成年後見人となってもらいました。
そして、新たに就任した成年後見人との間で遺産分割をまとめました。

相続人の一人に相続させないようにするための、遺言書作成、遺留分放棄

長年折り合いが悪く、自分に対して暴力を振るったり、借金問題や警察沙汰などで複数回多額の金銭支払いを強いらされてきた子供の一人を自分の相続から排除したいというご相談を受けました。

解決ポイント

ご相談者様の意向を可能な限り反映させた公正証書遺言を作成するとともに、相手方に遺留分の放棄許可申請を裁判所に対して行ってもらうことに成功し、その結果、ご相談者が亡くなられた後、相手方に相続させないような結果を得られました。
このようなご相談は意外に多く、その手段は法律的にはかなり限られています。同種の事案に対して経験豊富な弁護士に依頼される必要性の高いケースといえます。

相続人の一人が認知症

父親が相続人の一人として相続分を受け取る権利がありますが、認知症になってしまい遺産分割協議ができないというご相談を受けました。

解決ポイント

お父様について成年後見人選任申立をおこない、当事務所が成年後見人となって、遺産分割協議に参加し、お父様が適正な相続分を受け取れるような形で遺産分割協議を成立させました。
遺産分割協議のために成年後見人としてご相談を受けた弁護士がそのまま遺産分割協議に参加することで、ご相談者様のご意向を反映した遺産分割が可能になります。

認知症を原因とした生前贈与を無効にして遺産に持ち戻す

父が亡くなり兄弟5名での遺産分割の話し合いをすることになりましたが、兄弟の1人が生前に父からアパートの贈与を受けていることが判明しました。そして、アパートと生前中の賃料は遺産分割の対象にならないという主張を受けました。しかし、生前贈与の当時、父は明らかに重度の認知症であり、有効に贈与することはありえないはずでしたので、そのまま遺産分割を進めることに納得できず、弁護士に相談しました。

解決ポイント

弁護士に相談後、交渉を依頼しましたが、相手方が贈与が有効であることを主張し、話し合いは平行線のまま決裂したため、遂には訴訟(裁判)を起こすことになりました。裁判は思いの外、短期間で終了し、晴れて贈与が無効であることが認められ、アパートと生前の賃料を遺産分割の対象とすることができるようになりました。

遺産分割の事例(1)
遺言書がなくても遺産分割ができるかというご相談

父は既に亡くなっており、母が父の土地建物を全て相続し母の単独名義となっていました。母名義の土地建物は、アパート兼母屋のみで、兄と母が住んでいました。他の兄弟の私と弟はいずれも独立して自分名義の土地建物を所有し、そこに暮らしていました。
そのような状況で、先日、突然母も亡くなってしまいました。父も母も生前には「遺産の分割は兄弟で平等にしてほしい」と言っていたのですが、そのような遺言は残してありませんでした。
葬儀も終え兄弟で集まったところ、突然兄が「遺産分割協議書」なるものを見せてきて、「あの家は自分が守ってきたのだから自分のものだ。母の面倒を見てきたのも自分だ。ハンコを押せ。」と言って、アパート兼自宅を全て自分のものとする書類にハンコを押すよう迫ってきました。私も弟も驚いて何も言えませんでした。しかし、アパート兼自宅は200坪もの広大な土地に建っており、アパートも月収100万円ほどもあります。自宅だって建坪は100坪あり豪邸というほどではありませんが、母名義のアパート兼自宅と敷地は全部合わせれば相当の価格になるはずです。しかも、それ以外の母名義の預金はありますが、数100万円程度です。それなのに、兄が全部取得するという結論はおかしいです。なんとかなりませんでしょうか?

解決ポイント

相談者様のお気持ちはもっともです。遺産分割協議書にハンコを押すべきではありません。
昔は家督相続制度があり、長男が財産を全て相続することが認められていましたが、不公平感が著しく廃止されて現在の法定相続制度になったという経緯があります。本件でも、相談者様はお母様の遺産に対して法定相続分である3分の1の割合に相当する権利を有しています。たしかに、お兄様もお母様の面倒を見られたということがありますから、「介護に対する対価」たる特別受益の主張が認められるかもしれませんが、それでも、相談者様の権利が大幅に減ることはありません。
よって、まずは、遺産分割協議をして、お兄様に対して3分の1の割合を堂々と求めるべきです。
その際に重要なのは、アパート兼自宅の建物土地がいったいいくらになるのか、ということです。遺産分割においては、不動産は時価により算定しますが、不動産の価格はあってないようなものなので、それではいったい時価はいくらなのかが非常に問題となります。路線価、相続税評価額、固定資産税評価額等不動産に対する公的な評価は様々ですが、どれも不動産の時価を示すものではありません。よって、不動産が絡む遺産分割は、不動産業者や不動産鑑定士と提携できる弁護士にご依頼されるかどうかで、結果が大きく異なる場合もあります。
まずは弁護士に相談されて、その提携している不動産業者等に簡易な査定をお願いすることから始めてみることをお勧めします。不動産業者による簡易な査定であれば無料かそれに近い金額でやってくれるでしょう。
そして、遺産分割にも段階があり、「遺産分割協議」→「遺産分割調停」→「遺産分割審判」と順番に行う必要があり、遺産分割審判まで含めると5年、10年とかかってしまう場合もあります。そうならないように早期解決するためにも早い段階から弁護士に相談されて戦略を練っておくべきと思います。
本件のような事案では、もしお兄様が今の御自宅にこだわり手放したくないというのであれば、理屈としては、3分の1に相当する金額を相談者様ともう一人の御兄弟に払わなければなりません。たとえば、お母様やお兄様に現預金が十分になければ、アパート兼自宅に抵当権を設定して資金を捻出する方法もあります。しかし、手段を尽くしても資金が用意できず、御相談者様も譲歩せず法的に認められるものを主張するのであれば、アパート兼自宅を売却せざるを得ません。お兄様にとっては非情な結果となるかもしれませんが、一方で相談者様たち他の御兄弟にとっても簡単には引き下がれないことですし正当な主張をしているだけですからやむを得ません。
いずれにしても、相続の際は、必要な諸手続きや書類、専門的な知識や実務経験が多く必要となるため、弁護士にご相談されることをお勧めします。また、相続税の問題も無視できません。そういう観点では、税理士と提携している弁護士にご相談されるのが相続の問題を最も迅速に一回で解決できるため最適といえます。
弁護士法人高瀬総合法律事務所は税理士、不動産業者、不動産鑑定士、司法書士等、相続に関連するあらゆる専門家との提携関係を有しております。

遺産分割の事例(2)
遺言書に偽装の疑いを感じたというご相談

先日母が亡くなりました。既に父は亡くなっています。母は姉への遺言を残しており、相模原市内の不動産と預貯金の全てを姉に相続させるという内容でした。しかし、手書きで書かれており、字体も母のものではないことが明らかでした。私はどうすればいいでしょうか。

解決ポイント

遺産相続のご相談の中でも意外に多いのがこの相談です。
遺言は法律上自筆でも可能ですが、そうであるがゆえに、他人が勝手に書いてしまうこともできます。つまり、偽造です。
当然、偽造であれば遺言自体無効になり、不動産も預貯金もお姉さんから取り戻したうえで、再度遺産分割をすることになります。
しかし、お姉さんも財産を失いたくないのでなかなか認めようとしないはずです。
また、偽造ということを証明するのにも証拠やテクニックが必要となります。
そのため、このようなケースは特に弁護士が間に入って解決する必要性が高いといえます。
ちなみに、このケースでは、遺言で全ての遺産をお姉さんに相続させていますが、ご相談者も相続人ですから、「法律上最低限相続人に認められている相続分」として遺留分の請求ができます。遺留分はお母様が亡くなってから1年以内に請求しなければならないという厳しい条件があり、条件通りに行使しなければ多額の財産を失ってしまうに等しい結果となってしまいますので、少しでも迷ったらご相談をお勧めします。

遺産分割の事例(3)
遺産分割協議で揉め事が起こっているというご相談

先月私の父が亡くなりました。
父は、相模原市の郊外に古いアパートを1棟所有しておりましたが先日亡くなりました。
私を含む兄弟3名で父の遺産である不動産をどのように相続をするか悩んでいます。
このアパートは、木造で築30年が経過しており、かなりの修繕が必要な状況です。また、部屋も空き室が多くなかなか契約が決まりません。空室を埋めるためにもリフォームをしなければならず、そのお金もかなりかかりそうです。
さらに悪いことに、入居者の一人が、父の生前から家賃を滞納しており、既に10ヶ月分も滞納していることが発覚しました。
不動産の管理は経験のある私が行いたいのですが、他の兄弟も家賃だけは欲しいといって、なかなか遺産分割協議がまとまりません。どうすればいいですか?

解決ポイント

不動産は価値のある財産ですが常に管理の負担が伴うものです。賃貸中であるなどの収益物件であれば、なおさら管理が重要となってきます。ところが、遺産分割においては三者三様、金銭的な要求だけして負担は負いたくないという相続人がいらっしゃることも決して珍しくはありません。
そして、仮に不動産を3人で相続して3人の共有となった場合、修繕や賃貸借契約の締結などは、1人で行うことができません。かといって、全く行うことができなければ、建物はどんどん老朽化し、空き室が増えることになり、せっかく相続した大切な遺産である不動産を失うこととなって、元も子もありません。そのため、遺産相続の際に行う遺産分割においては、極力、不動産は一人の方が相続してしっかりと建物管理をできるようにすることが望ましいです。
しかし、そのためには、当然、他の相続人である兄弟を説得しなければなりません。そして、説得するためには、それ相応の相続分を分け与えなければなりません。では、どの程度分け与えなければならないか、というと、不動産を相続するのであればお金(これを法律上「代償金」といいます)を支払わなければなりません。とはいえ、いくら支払わなければいけないのか、そのためには不動産の評価額をどうすればいいのか、そして、そのお金はどのように用意すればいいのかなど、一口に遺産分割といっても、難しい問題が山積しています。
このようなケースで話し合いがつかないのであれば、弁護士に一度はご相談される方が望ましいといえます。特に、遺産分割においては、亡くなった後、10か月以内に相続税の申告をしなければなりません。そして、申告をしたら納税をしなければならないのです。まだ遺産分割が終わって相続をしていないのに相続税を支払うことは大変です。遺産分割は法律上、いつまでに行わなければならないということはありませんが、このような理由からできるだけ早く終わらせた方がいいのです。遺産相続、遺産分割のお困りごとはすぐにご相談、これが解決への一番の早道だと思います。

遺産分割の事例(4)
長期間、音信不通の親族がいる場合のご相談

私の親がこのたび亡くなりましたので、相続することになったのですが、他に兄弟が5人いて、そのうち1人とは10年以上音信不通でどこに住んでいるのかもわかりません。相続財産には賃貸アパートもあります。すぐにでも賃貸アパートの管理を引き継がなければいけないのですが、このような状況で何から手を付けていいのかわかりません。どうすればいいでしょうか?

解決ポイント

相続人が大勢いると、その中には既に亡くなっている方や、長期間音信不通で行方も分からないという方がいらっしゃる場合があります。そのような場合に、遺言があればいいのですが、ない場合には、遺産相続の方法としては遺産分割をするしかありません。
遺産分割はまずは遺産分割協議、つまり遺産を相続人間でどのように分けるかという話し合いをしてみて、遺産分割協議がまとまらなかった場合には、裁判所において遺産分割調停で再度相続人間で話し合いをおこない、遺産分割調停でもまとまらなかった場合には、遺産分割審判、つまり、裁判所に強制的に遺産の相続の内容を決めてもらうという手続をしなければなりません。
従って、まずは遺産分割のための話し合い、遺産分割協議をしなければなりませんが、相続人の一人でも行方不明ということになると、遺産分割の話し合いができません。そのため、遺産分割を全くできないのか、となるとそういうわけではありません。
法律上、このような場合には、不在者財産管理人という制度により遺産分割の話し合いを行うことや失踪宣告という制度により行方不明の方を亡くなったものとみなして遺産分割を進めることができます。通常は行われない特殊な制度ですので、少しでも迷ったらご相談することをお勧めします。

相続の遺留分の取り戻し

不動産に対する遺留分請求

二人兄弟だがそのうちの一人に殆どの遺産を相続させるという公正証書遺言が発見されたため、遺産を殆ど受け取れない方から遺留分を請求したいというご相談を受けました。

解決ポイント

遺産の中に市場価格の高い不動産が存在したことから、その不動産を売却して十分な遺留分を受け取ることに成功しました。
遺留分は法律上認められた権利であり、請求すれば金銭又は物(不動産)の形で受け取れる可能性の高いケースといえますが、問題はどの程度(いくら?)の財産を手取りで受け取れるのか、そのために時間と費用をどれだけ節約できるかがポイントとなります。
遺留分請求に当たっては様々な交渉カードが考えられ、その交渉カードをどのタイミングでどのように切っていくかで結論が大きく変わるといえましょう。
また、民法改正も絡む分野であるため、特に注意を要しますのでまずはお気軽にご相談ください。

相続の遺留分の取り戻しの事例 遺言書の内容に納得いかないというご相談

先々月に、うちの主人が長年患っていた病気がもとで亡くなりました。
最近になって、家族共々ようやく落ち着いてきたところなのですが、主人と前妻との間の子供が、先日、我が家を訪ねてきました。
主人の遺言書を私に見せて、主人の遺産は全て「俺の物だ」と言い出して、主人の仏壇の前で口論となりました。
その内容は、前妻の子供(婚姻中の子であり、嫡出子)に全てを相続させる、という信じられない内容でした。
私どもも、あまりにも突然の事なので、うちの息子と一緒になってびっくりしてしまい、とりあえずは、前妻の子供に帰って貰うのが精一杯でした。
私にも主人との間に長男がおり、当然、我が子にも遺産を相続する権利があると思うのですが・・・。
この場合、主人の残した遺言書の内容を認めざるを得ないのでしょうか?

解決ポイント

この場合、基本的には、亡くなった御主人様の最後のご意思が優先されます。
従って、前妻の方との間の子がご主人の遺産は全て取得する権利を有します。
しかし、それでは、あなたのように残された方からすると理不尽な場合や感情的に納得できないも少なくありません。
そこで、遺言で遺産を受け取ることができない相続人の方にも、「遺留分減殺請求権」という権利が認められています。
「遺留分」とは、残された相続人の方々に、その生活を考慮した上で、必ず、残しておかなければならない財産とされているものです。
遺留分を有する相続人の方は遺言により財産を受け取る人に対して遺留分の限度で返還請求することができるのです。
ちなみに、御主人様が亡くなられてどのくらい経ちますか?

まもなく、3か月になります。

そうですか…分かりました。
先程の遺留分減殺請求は1年で時効となってしまいます。
つまり、1年経つと消えてしまって、請求することができなくなってしまうのです。
場合によっては、莫大な金額に上る財産をみすみす手放すことになりかねません。
手続きには諸々準備が必要で時間がかかりますので、早め早めに動かれる事をお薦め致します。

具体的には、どのくらい取り戻すことができるのでしょうか?

もし、ご主人の相続人が、Gさんとお子様2人(長男、前妻との子)とすると、遺留分は遺産全体の2分の1となります。
これをさらに法律に定められた相続分で按分しますので、Gさんは遺産総体に対して4分の1、ご長男は8分の1が遺留分となります。

そんなに取り戻すことができるのですか・・・!?私としては、前妻の子供に遺言書を見せられてから、あきらめておりましたので、直ぐに手続きを考えてみようと思います。
早速、今夜にでも、息子が帰宅しましたら相談をしてみます。
ところで、その場合には、どの程度の手続き費用はかかりますか?

一般的な着手金額、報酬金額というものはありますが、具体的な事案ごとに変わります。
御主人様の遺産の内容がわからないので即答できませんが、次回の相談には、私の方から費用等を含めてのご説明もいたしますので、全ての内容をお聞きになられて、御納得をされてからの手続きとなります。
ご安心してお越しください。

財産放棄

山林の放棄

このたび父がなくなりましたが、預金の他は地方の原野や山林ばかりで、兄弟で原野を押し付け合いになってしまいなかなか相続手続きが進みません。原野や山林は国や市町村に引き取ってもらえないのでしょうか。私たちのように相続してしまった人はどのように原野や山林を管理しているのでしょうか?

解決ポイント

このようなご相談は最近非常に多くなっています。
価値がなく使い道もないのに管理と固定資産税の負担ばかり負わされ実質的に「負の遺産」である場合が多いことから客観的に見て放棄をするのが望ましいと思われます。
そして、相続放棄をすると他の遺産も放棄しなければならないため、選択肢として挙がってこないことも多いです。
その場合でも、相続時、相続後いずれにおいても、放棄に等しい成果を挙げられる可能性もありますので、まずはお気軽にご相談ください。

借家の相続放棄の判断

このたび父親がなくなってしまいました。
ただ、父にはめぼしい資産がなく、住まいも賃貸アパートで、生前は借金もしていたという話も聞いていました。この場合、借金を相続しなければいけないのでしょうか。
また、父の子でもありますので、賃貸アパートを父が亡くなった状態のまま放置しておくのも申し訳ないと思ってしまいます。そこで、賃貸アパートの原状回復を先にしてしまっても大丈夫なものなのでしょうか。

解決ポイント

今回は典型的な相続放棄を検討するべきケースといえます。
その際に、賃貸アパートに残置された父親の遺産を処分しても相続放棄できるのかという問題を検討しなければなりません。
また、相続放棄をした後に、他の相続人の方についてはどうするのかという点も検討する必要があります。
対応を誤ると父親の借金を相続しなければならない可能性もありますので、まずはお気軽に弁護士にご相談されるとよいでしょう。

財産放棄の事例 兄弟全員で財産放棄がしたいというご相談

母が亡くなりました。
父は既に亡くなっており、自宅はあるのですが兄弟誰も使っていなく、築30年を超えており、ごみ屋敷状態です。
父には相当借金があるらしく、兄弟全員相続放棄をしようかと相談しているのですが、もし、全員相続放棄したらどうなるのでしょうか?

解決ポイント

この場合、相続放棄という手続があります。
相続放棄は遺産も相続しないけれども負債も相続しないという制度です。
このように遺産を相続しないことになってしまいますので、相続放棄するかどうかは慎重に判断しなければなりません。
しかし、相続放棄するかどうかは法律上、通常は、亡くなってから3か月以内と、非常に短い期間内に行わなければならないという厳しい条件があります。その間に、遺産と負債を全て調査して洗い出し、本当に相続放棄をしていいのかを判断しなければなりません。
しかも、相続放棄は裁判所に申立しなければなりませんが、様々な書類を要求されています。亡くなってしばらくは気持ちも落ち着かないし慌ただしい時間を過ごさなければなりませんが、時間は刻一刻と過ぎてしまうため、早め早めに対応していかなければなりません。そのため、一度はご相談されることを強くお勧めします。また、相続放棄をすると、子ども→親→兄弟というように相続人がどんどん変わっていきます。相続放棄はそれぞれの段階にある相続人の方が一人ひとり行わなければいけません。自分が相続放棄をしたからもう安心ということにならないので注意が必要です。
ところで、今回のケースでは、相続放棄を済ませればそれで良いのかという問題もあります。というのも、遺産である不動産がごみ屋敷として放置されてしまうと、近隣の方に迷惑がかかりますし、放火されたりしては大参事になってしまいます。その時の責任まで全て相続放棄したからといって免れるかということですが、実は100%大丈夫だというわけではない可能性があります。そのため、このような場合には相続財産管理人という制度を利用することを推奨いたします。
遺産相続は、相続する場合も相続放棄する場合も注意すべきポイントが数多くありますので、是非ご相談だけでもされることをお勧めします。

髙瀬総合法律事務所の代表弁護士髙瀬は、公益社団法人全日本不動産協会相模原支部の顧問として、日々不動産に絡む案件の御相談を多数受けており、不動産が絡む相続トラブルも多数専門的に扱っております。

エフエムさがみのラジオ番組「ビーモス不動産相談所」に出演して、不動産に関するあらゆる問題について弁護士としてコメンテーターで出演しています。

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