絶対必要!中小企業経営者の遺言書1
2024年2月27日
中小企業経営者が遺言書を残すべき理由
中小企業の経営者の皆さん、遺言書は作成していますか?遺言書の作成は、事業承継する会社もしない会社も非常に重要な役割を果たします。遺言書がないと家族や従業員、さらには取引先にも思わぬ混乱を招く可能性があります。ここでは、遺言書を残すことの重要性について、具体的な事例を交えて解説します。
- 経営者不在時のリスク
例えば経営者が突然亡くなった場合、遺言書がなければ、誰が会社を引き継ぐのか、そのプロセスはどうなるのかが不明確になります。 その結果、事業の継続性が危ぶまれ、金融機関が会社への信頼を失い、必要な資金調達が難しくなる可能性があります。
新規プロジェクトの遂行や重要な契約の締結が遅れ、事業活動が停滞するでしょう。従業員は職を失う不安に駆られ、取引先は新しいビジネスパートナーを探さざるを得なくなるかもしれません。 - 経営権=株式です
中小企業経営者が特に注意すべきは、株式の相続による経営権の分散です。中小企業オーナーにとって、株式は個人の資産でありながら、会社の経営権も表します。相続により株式が分散してしまうと、会社の経営権が意図しない形で移動し、経営が困難になることがあります。遺言書がない場合、株式は法定相続人に均等に分配されます。
たとえば、経営者が持っていた株式が4人の子供に等しく分割された場合、経営方針に関する意見の不一致が生じ(事業を継続すべき!たたむべき!など)会社運営が停滞する可能性があります。 - 遺産分割協議の必要性
遺言書がない場合、相続人全員の合意が必要な遺産分割協議が必要になります。これには大変時間がかかり、相続人間で意見が分かれ家庭裁判所に持ち込まれた場合、6か月以内に解決した割合はわずか30%です。6か月以上かかる場合が全体の70%にもなります。(2年を超える話し合いが持たれる場合が10%もあることも追記しておきます) - 経営者財産の複雑性
経営者の財産は、土地や工場などの不動産や特許権などの権利関係、株式などの金融資産、事業継続のための借入金など、プラスの資産もマイナスの資産も多岐にわたります。遺産分割協議はとても複雑なものとなり多くの家族が長期間にわたる争いに巻き込まれ、決まるまでの間、会社の経営はストップしてしまう事もあるのです。
遺言書による解決策
こうした問題を回避するために、遺言書で「自社株は全て後継者の次男に引き継ぐ」といった具体的な指示を残すことができます。これにより、経営権の移動をスムーズに行い、会社の安定した運営を確保することが可能になります。
遺言書作成の重要性
遺言書は、経営者の意志を明確にし、事業承継を円滑に進めるための基盤を作ります。また、家族間や相続人間の紛争を防ぎ、会社と従業員、取引先の未来を守るためにも不可欠です。経営者の皆さんには、自身の財産と会社の未来を守るために、遺言書の作成を真剣に考えていただきたいと思います。
経営者の遺言書の作成には専門的な知識が必要ですので、企業法務の専門家に相談することをお勧めします。事業の未来を守るために、今日から行動を始めましょう。
中小企業の企業法務の専門家である
高瀬総合法律事務所は経営者に寄り添うからできる
遺言書作成サービスがあります。一度ぜひご相談ください。