遺留分とは?初心者にも分かりやすい解説
2024年6月4日
遺留分とは?
遺留分(いりゅうぶん)とは、相続において法定相続人が最低限受け取る権利を保障するための制度です。日本の法律では、被相続人(亡くなった方)が遺言書で全財産を特定の人に遺贈してしまうと、残された家族が困窮する可能性があります。そこで、法律は特定の相続人に対して最低限の取り分(遺留分)を保証しています。
遺留分をもっと簡単にまとめると
遺留分とは法律で相続人が最低限受け取れる権利を守っています。
そのため、自分以外の誰かに例え遺産の全てが渡ってしまったとしても最低限取り返せる権利があります。
遺留分の対象となる相続人
遺留分が認められているのは、配偶者、子供、直系尊属(親)です。兄弟姉妹には遺留分はありません。遺留分の割合は以下の通りです。
配偶者:全財産の1/2
子供:全財産の1/2(複数いる場合は等分)
直系尊属(親):全財産の1/3
遺留分が揉めやすい7つの理由
遺留分は揉めやすい性質があります。その理由は以下のように考えられます。
- 1.財産の偏り
遺言書によって特定の相続人に多くの財産が遺贈された場合、他の相続人が不公平感を抱くことがあります。特に、財産の偏りが大きい場合は、遺留分が侵害されることになり、これが争いの原因となります。例えば家族の中の誰か一人だけすべての財産を相続させるといった旨の遺言書だった場合や、法定相続人である家族以外の誰かにすべての遺産を遺贈するなどが遺言にあった場合がこの遺留分の侵害問題が勃発しやすくなります。 - 2.感情的な対立
相続は家族間の問題であり、感情的な対立が生じやすいです。遺留分が関係する相続争いでは、過去の家庭内の関係や出来事が引き金となり、感情的な対立が深まることがあります。感情が絡むことで、理性的な解決が難しくなることが多いです。 - 3.法律知識の不足
相続に関する法律は複雑で、一般の人々にとって理解しづらい部分があります。遺留分に関する法律や権利を十分に理解していないために、誤解や不安が生じ、これが争いの原因となることがあります。 - 4.遺言書の不備
遺言書が適切に作成されていない場合や、法律的に無効な部分がある場合、遺留分に関する争いが生じやすくなります。遺言書の内容が曖昧だったり、不完全だったりすると、相続人間で解釈の違いが生じ、これがトラブルの元になります。 - 5.財産の評価と分配の難しさ
相続財産の評価が難しい場合、遺留分の計算や分配が複雑になります。不動産や事業など、簡単に分割できない財産があると、その評価や分配方法を巡って争いが生じることが多いです。 - 6.生活状況の違い
相続人の生活状況や経済的な背景が異なる場合、遺留分に対する期待や必要性が異なり、これが争いを引き起こす要因となります。特に、生活に困窮している相続人がいる場合、遺留分の確保を強く求めることが多くなります。 - 7.コミュニケーション不足
相続人間でのコミュニケーションが不足していると、誤解や不信感が生じやすくなります。相続の手続きを進める中で、適切な情報共有や話し合いが不足すると、遺留分を巡る争いが激化することがあります。
これらの理由から、遺留分に関する争いは生じやすくなります。こうした問題を避けるためには、事前に遺言書を適切に作成し、相続人間でのコミュニケーションを大切にすることが重要です。また、争いが生じた場合には、弁護士などの専門家の助けを借りることで、スムーズな解決が図れます。
遺留分で揉めた場合に弁護士が有効な理由3つ
- 1.専門知識と経験
遺留分に関する法律は複雑で、多くの細かい規定があります。弁護士は相続法の専門知識と実務経験を持っており、適切なアドバイスを提供できます。自分で手続きを進めるよりも、スムーズかつ正確に進行させることが可能です。 - 2.交渉と調停のサポート
遺留分に関する争いは、しばしば感情的な対立を伴います。弁護士が間に入ることで、冷静かつ客観的な視点から問題を解決に導くことができます。また、調停や裁判においても、弁護士が代理人として交渉を進めるため、クライアントの負担を軽減できます。 - 4.法的手続きの代行
遺留分減殺請求の手続きには、書類の作成や提出、証拠の収集など、多くの作業が必要です。弁護士はこれらの手続きを代行し、確実に進めることで、クライアントが本来受け取るべき権利を守ります。
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