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本当にいらない?株主総会招集通知を省略するメリットとリスク

本当にいらない?株主総会招集通知を省略するメリットとリスク

2024年10月16日

はじめに

株主総会は企業運営において重要な意思決定の場ですが、その招集通知について「本当に必要なのか?」と疑問に思う経営者もいるかもしれません。近年、特に中小企業や非公開会社では、株主総会招集通知を省略したいという相談も増えています。本記事では、招集通知を省略する際のメリットとリスクについて、弁護士に相談することの重要性も含めて解説します。

1. 招集通知を省略するメリット

コストと時間の削減

招集通知を発行するには、株主全員に書面を送付するためのコストがかかります。特に人数が多い場合や株主が分散している場合、郵送費や書面の作成にかかる時間が大きな負担となります。招集通知を省略できれば、これらのコストを削減できます。

迅速な意思決定

株主総会を開くたびに、招集通知の送付を待たなければならないという制約がなくなるため、より迅速に重要な意思決定を行うことが可能です。特に緊急の案件に対応する際に、時間を節約できることは大きな利点です。

オンライン化との親和性

招集通知の省略を認めることで、株主総会のオンライン化を推進しやすくなります。近年、デジタル化が進む中で、物理的な通知にこだわる必要性が薄れてきています。

2. 招集通知を省略するリスク

法的リスクの増加

株主総会の招集通知は、法的に定められた手続きです。特に公開会社や規模の大きい会社では、招集通知を省略することは原則として許されていません。違反すると、株主から法的な異議を申し立てられるリスクが高まります。

トラブル発生の可能性

特に少数株主がいる場合、招集通知を省略すると、透明性の欠如として受け取られる可能性があります。これにより、株主との信頼関係が損なわれるリスクがあり、会社運営に支障が生じる可能性があります。

弁護士への相談が不可欠

招集通知を省略することを検討する際には、弁護士への相談が不可欠です。法律的に許されるかどうかの判断や、どのような手続きが必要かを確認するためには、専門的なアドバイスが必要です。また、招集通知の省略が違法とされるケースや、株主からのクレームに対処するための具体的な法的措置についても、弁護士のサポートが必要です。

3. 招集通知を省略するための手続き

定款での規定

非公開会社において、すべての株主が同意している場合、定款に基づき株主総会の招集通知を省略することが可能です。しかし、株主全員の同意が得られない場合は、招集通知を省略することはできません。また、会社法第370条に基づくみなし決議では、全株主が書面または電磁的記録で同意することで、実際に株主総会を開催せずに決議を行うことができます。この場合、招集通知は不要となり、決議内容の効力は全株主の同意が揃った時点で発生します。

緊急時の対応

特定の緊急事態が発生した場合、株主の同意を得た上で、招集通知を省略することが可能です。ただし、この場合でも、後日法的な問題が発生しないよう、事前に弁護士に相談することが推奨します。

結論

株主総会招集通知の省略には、コスト削減や迅速な意思決定というメリットがありますが、法的リスクやトラブルの可能性も高まります。特に、法律的な問題が発生するリスクを避けるために、株主総会に関して経験豊富な弁護士に相談し、法的なアドバイスを受けましょう。

このコラムを書いた人

高瀬芳明

高瀬芳明

略歴

  • 私立早稲田実業高校卒業、 東京大学 農学部卒業
  • 平成18年9月 司法研修所卒業・弁護士登録 横浜市内の法律事務所に入所し企業法務,不動産問題を主に取り扱う
  • 平成19年5月 破産管財人就任
  • 平成21年10月 相模原中央総合法律事務所設立
  • 平成25年6月 弁護士法人高瀬総合法律事務所設立