顧問弁護士を検討している企業の方へ「弁護士探しでまず何をすべき?」
2024年11月19日
企業経営者にとって、顧問弁護士を依頼するかどうかは重要な決断です。特に企業法務、契約トラブル、労務問題などに悩んでいる際には、正しい判断をするために適切なサポートを受けることが欠かせません。
では、顧問弁護士への依頼を検討する際、まず何をすべきでしょうか?
弁護士目線で具体的なポイントをお伝えします。
1. 企業の課題を整理する
顧問弁護士を依頼する前に、まず自社が抱える法務上の課題を整理しましょう。企業法務に関する問題は、契約トラブルや労務問題など、多岐にわたることがあります。それぞれの課題の深刻度や頻度、どのような対策が必要かを明確にすることで、弁護士に対して具体的なニーズを伝えることができます。これは、顧問弁護士にとっても、より的確なサポートを提供するための重要な情報です。
どうやって課題を整理する?
具体的に企業が抱えている法務上の課題を箇条書きにすることで、依頼時に弁護士に伝えやすくなり、弁護士も迅速に対応できるようになります。以下のような課題をリストアップするとよいでしょう。
- ・契約トラブル(契約書の作成やレビュー、契約違反など
- ・労務問題(従業員の雇用、解雇、労働条件、ハラスメントなど)
- ・知的財産権(商標や特許の取得、侵害リスク)
- ・コンプライアンス(企業行動の法的遵守、内部監査)
- ・M&Aや事業再編(買収や合併、資本提携の法的支援)
- ・取引先とのトラブル(支払い遅延、製品の不良など)
- ・債権回収(未払い請求書の回収など)
弁護士に依頼を早急に検討したい事柄
また、弁護士に依頼する重要度が高い事柄としては、以下のようなものが挙げられます。
- ・即時対応が必要な案件(訴訟リスクが高いトラブルやクレーム)
- ・重大な契約違反(企業存続に関わるような大きな契約違反)
- ・法改正への対応(企業活動に大きな影響を与える新たな法律や規制)
- ・会社の将来に大きな影響を与える意思決定(M&A、資金調達など)
これらの重要度を判断する際には、企業の存続や利益にどの程度影響を与えるかが基準になります。
2. 顧問弁護士のサポート範囲を確認する
顧問弁護士のサポート範囲は事務所や契約内容によって異なります。契約トラブルの予防から労務問題の相談対応まで、どこまでの範囲を依頼できるのかを事前に確認しましょう。初回相談時には、例えば以下の質問をすることでサポート範囲を明確に把握できます。
- ・契約書レビューの頻度に応じた対応は可能か?
- ・労務問題に対する具体的な対応経験はどの程度あるか?
- ・緊急のトラブル発生時にどのようなサポートが受けられるか?
たとえば、契約書のレビューが頻繁に必要な場合は、契約書チェックを重視した顧問契約が望ましいでしょう。また、労務問題が多発している場合にも企業法務の実績の高い弁護士を選ぶことが重要です。
3. コストとリターンを比較検討する
顧問弁護士に依頼する際には、コスト面も重要な要素です。しかし、そのリターンについても考慮する必要があります。企業法務における契約トラブルの防止や迅速な労務問題の解決は、長期的に見て企業のリスクを大幅に減少させることにつながります。顧問契約によって定期的なアドバイスや迅速な対応が得られることで、企業経営の安定に大きく寄与することを理解しておきましょう。
4. 弁護士との相性を確認する
最後に、顧問弁護士と企業との相性も重要です。顧問弁護士は、企業の法務パートナーとして長期的に協力していく存在です。そのため、コミュニケーションの取りやすさや、企業のビジョンに共感してくれるかどうかを確認しましょう。特に、契約トラブルや労務問題といったデリケートな課題に対応する際には、信頼できる関係性が必要です。
顧問弁護士の導入はリスク管理の一環
企業にとって、顧問弁護士の導入はリスク管理の重要な一環です。企業法務、契約トラブル、労務問題といった課題は、専門的な視点で対策することが求められます。まずは自社のニーズを明確にし、適切な弁護士と連携することで、より安心して企業経営に専念できる環境を整えましょう。