社長!遺言作ってますか?経営者の遺言作成のすすめ
2025年1月14日
経営者にとって、会社の成長をさせるために「安定」は欠かせない要素です。
しかし、社長自身がその役割を退いた後に会社がうまく継続されるかどうかについては、どの経営者の方も後回しに考えられていることが多く、実は注意を払うべき大切な課題なのです。
この課題において、「遺言」の作成を弁護士に依頼することは、会社の未来を守り、経営者の意思を確実に実現するための最善の手段です。専門家のサポートを受けることで、会社の引き継ぎがスムーズかつ確実に進みます。
経営者が遺言を作成すべき理由
- 1. 会社を継承する人の確実な設定
社長の死後、継承者の地位を明確に定め、円滑に引き継ぐために、誰が会社の継承者となるかを事前に決めておくことが重要です。遺言なしでは、相続の際に出現する「財産の分配手続き」や「遺言書検認」のステップが重大な経営リスクとなる可能性があります。
「財産の分配手続きとは」
「財産の分配手続き」とは、遺産相続において、遺産全体を相続人に適切に配分するための具体的な手続きや作業を指します。具体的には、遺産の種類(現金、不動産、株式、事業資産など)を整理・分類し、それぞれの相続人にどのように分けるかを決めることが含まれます。このプロセスは相続人間で合意が必要となる場合が多く、遺言がない場合には意見の対立や紛争が発生しやすいものです。
遺言書が存在する場合、この分配の基準や方法が明確に定められるため、相続手続きをスムーズに進めることができます。
「遺言書検認とは」
遺言書検認とは、自分が書いた遺言書を家庭裁判所が遺言書の内容や形式を確認する手続きです。これは、遺言書が正当なものであることを確認し、その内容を相続人全員に周知するための重要な手続きです。
簡単に言うと遺言書が本当に本人が書いたものかどうか保証するための手続きで、この過程を経ている場合、相続になった場合比較的スムーズ且つ早くに相続ができます。
ちなみに遺言書を検認をせずに相続人の誰かが勝手に開封してしまうと、五万円以下の罰金や相続人同士のトラブル、相続財産の名義変更ができなくなるケースもあります。
検認は特に自筆証書遺言の場合に必要であり、これを怠ると遺言の内容が無効となる可能性があります。遺言書を作成する際には、検認の重要性を理解し、適切な形式で保管することが不可欠です。また、弁護士の助言を受けることで、スムーズな検認手続きが可能になります。
- 2. 会社の次のステップの要件を明確にする
社長が死亡したとき、会社の運営に関する重要な情報や権限の継承を明確にしておくことが、会社を継続させるためには重要です。遺言書に記載することで、「誰を次の経営者にするのか?」ということに時間を掛けたり無用な争いを避けることができます。
まとめ
経営者にとって、遺言書の作成は未来への備えであり、会社と家族の安定を守るための重要な一歩です。
会社の資産と個人の資産は別物です。よく混同されていますがこの部分が明確ではないと、一般の方と違い経営者は会社と個人の遺産を切り離して遺言書を作成することがマストです。
遺言書は単なる文書作成ではなく、相続に伴うリスクを未然に防ぎ、事業をスムーズに引き継ぐための仕組み作りでもあります。
遺言書を作成することによって、「具体的な課題の洗い出し」や「法的トラブルの予防」といった重要な課題に対応することになります。しかし、「この部分はどうすれば」「この決め方はトラブルになりそう」と感じることも多いと思います。弁護士などの専門家に相談することで、経営者の方が気づかない潜在的なトラブルについてもより確実かつ安心感を持って進めることができます。
遺言作成に不安や迷いがある方は、まず弁護士にご相談ください。私たち高瀬総合法律事務所は事業承継や相続に経験豊富な弁護士が、法的観点から最適なアドバイスを提供し、将来のトラブルを防ぐためのサポートを行います。安心して未来を託せる準備を、今始めてみませんか?