中小企業オーナー社長が把握すべき自社株式相続の対策と事業承継税制
2024年4月2日
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中小企業を経営するオーナー社長が急に亡くなると、自社株式の相続は家族だけでなく、会社運営にも大きな影響を及ぼす可能性があります。スムーズな事業承継を実現するためには、適切な準備が必要です。本コラムでは、自社株式の評価方法、事業承継税制、そして専門家への相談の重要性について解説します。
自社株式の評価方法
自社株式の相続においては、株式の「評価」が重要なポイントとなります。評価方法には主に2つあります。
1:純資産価額方式
企業の貸借対照表に基づき、資産から負債を差し引いた後の純資産を株式数で割り、一株あたりの価値を算出する方法です。企業の実態に即した価値を反映できますが、将来性は考慮されません。2:類似業種比準価額方式
この方法では、同業他社の市場データや財務指標を参照し、それに基づいて自社株の価値を推定します。業界全体のトレンドを反映させることができますが、中小企業の場合は適用が難しい場合もあります。
事業承継税制の活用
日本では、中小企業の円滑な事業承継を支援するために「事業承継税制」が設けられています。この税制を活用すると、相続税の負担を大幅に軽減できる場合があります。条件を満たす場合、相続税の納税猶予や免除が適用され、事業資本の維持と納税資金の確保が容易になります。事業承継の計画を立てる際には、この税制の詳細を確認し、適切な対策を講じることが重要です。
企業法務に強い弁護士への相談
自社株式の相続や事業承継税制に関する問題は複雑であり、専門的な知識が必要です。医者でも内科、皮膚科、脳神経外科と分かれているように弁護士にも色々な専門性があります。遺言書の作成、遺留分問題、相続税評価の最適化などには、企業法務に精通した弁護士のアドバイスが欠かせません。早い段階で弁護士に相談し、事業の経営権と財産権を守り、円滑な事業承継を実現するための計画を立てましょう。弁護士は具体的な対策だけでなく、家族間の合意形成をサポートすることも可能です。
まとめ
中小企業のオーナー社長が予期せぬ事態に備えるためには、自社株式の適切な評価と事業承継税制の活用、そして企業法務に強い弁護士への相談が不可欠です。弁護士法人髙瀬総合法律事務所では企業法務の専門家として、公認会計士・税理士とネットワークを組み事業承継を進めています。
事業と家族の未来を守るために、今から準備を始めましょう。
このコラムが、「中小企業」「自社株式」「遺言書」「経営権」「財産権」「相続税」「事業承継税制」「純資産価額方式」「類似業種比準価額方式」「納税資金の確保」についての理解を深め、適切な対策を講じるきっかけになれば幸いです。